米沢牛とは?
はじめに
食用牛としての米沢牛の名が全国的に知られるようになったのは、文明開化まもない明治4年に米沢藩の藩校米沢興譲館の
外国語教師として米沢に招かれた英国人貿易商、チャールズ・ヘンリー・ダラスが、明治8年に任期を終え、
英国人の居留地である横浜に土産として一頭の米沢牛を持ち帰り、仲間に振る舞ったところ、「これはおいしい!」
とその美味に驚嘆され、賛美されたのがきっかけと言われている。
その「うまさ」は飼育に好適な気候、土壌、水、それに優れた飼育技術に加え、生産農家が自分の家族同様に
愛情をこめて育てる心が秘訣である。西の松坂牛、東の米沢牛と言われるほどで、市場では常に最高値で取り引きされている。
米沢牛の
うまさの秘密
米沢牛のうまさの要因はいろいろ考えられるが、米沢の気候・風土によるところが一番大きいと言われている。
また、サラブレット的な要因もかなり大きい。その4つのポイントを紹介。
1.気候
米沢は、夏暑く冬寒いという非常に四季のはっきりした気候の地方である。この気候が米沢牛に与える影響は大きい。
1月2月の極寒の季節は寒すぎて牛が水も餌もあまり取らず、7月8月の猛暑の季節は夏バテ防止のために水と餌を牛にあまり与えない。
結果としてじっくりと時間をかけて育つために、霜降りの量が多い少ないに関らず極めの細かい油質の肉牛になるのである。
極めの細かい霜降りは溶けるような味わいになる。
2.風土・水
米沢市は山形県の最南端の地に位置し、県の中央を流れる一級河川最上川の源流にあたる。
ミネラルを多く含んだ水が豊富で、ミネラルは肉の味を良くする働きがあるらしい。
また、おいしい水は与える穀物類の肥料の味も当然良くなる。
3.育て方
生後10ヶ月ぐらいまでは母牛の近くにいて、その後飼育生産者の手に渡る。
各飼育生産者が工夫を凝らし、愛情のこもった飼育で、手塩を掛けて生後約3年まで育てられる。
3歳までの肥育というのは、和牛の中でも最も長い方である。
餌は飼育生産農家によって様々で、穀物類の他に、米沢名産のりんごを与えるところもある。
4.種
代表的な和牛の但馬系の黒毛和種が主流である。血統も重要で、肉牛のうまさは種牛だけでは決まらず、
相手の母牛の母牛の父の種類までみる必要がある。まさに食用和牛のサラブレット。
その他
「米沢牛はいったいどこにいるの?」「米沢牛の牧場は?」というお客様からの質問をよく受けます。
米沢牛は米沢市の市街地周辺の畜産農家の牛舎の中で飼われています。
見学されたい方もいらっしゃるかもしれませんが、牛はストレスによって体調が変わるらしいので、
あまりおすすめできません。遠目で見るくらいならいいかもしれませんね。
お問い合せ
米沢牛のれん会事務局